リフォームコラム・お役立ち情報 2023年4月11日

放置空き家の固定資産税減税解除!?

放置空き家の固定資産税減税解除!?
  • 放置空き家への課税が検討!?

    画像引用:国土交通省

     

    住宅が立つ土地には、固定資産税が6分の1に減額されるなどの優遇措置があり、これが老朽空き家を解体して更地にせず、放置する一因とされてきました。

    2015年に空き家等対策の推進に関する特別措置法が施行され、少しずつ対策が行われてきました。

    周囲に害を及ぼすような危険な空き家を「特定空き家」に指定し、一定の段階を踏んだ後、住宅用地の税の軽減が解除されるという制度が存在しますが、現状の空き家特別措置法の制度では空き家を削減する効果が不十分であり、今よりも強い措置が必要なのではないかという議論がなされています。

     

    
    

    具体的に「特定空き家」として指定されるもの

    • 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
    • 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
    • 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
    • その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

  • 政府の改善策

    画像引用:リフォーム山陽新聞

     

    より早い段階で広範囲に対策を促す為、周囲に害を及ぼす「特定空き家」に指定されなくても、居住目的のない空き家や放置状態の空き家に対し行政が指導・勧告し、住宅用地の税の軽減が解除され、土地の固定資産税が上がる可能性があるということを意味しています。

    管理状態を問わない固定資産税の住宅用地適用が、空き家温存となる恐れがあると政府が判断しました。

    また、所有者が空き家の活用、管理方法を相談しやすい環境を整えるため、市区町村がNPO法人などを空き家の活用の「支援法人」に指定し、民間団体の活動環境を整備し、地域に応じた需要の掘り起こしや活用希望者とのマッチング促進を支援します。

     

  • 放置空き家問題

    現在、全国の空き家は849万戸あり、そのうち「居住目的のない空き家」は349万戸となり、いずれも増加傾向が続いています。

    「居住目的のない空き家」は20年間で約1.9倍に増加しており、適切な対策をとらなければ2030年には470万戸に達する物と試算されています。

これまでも行われてきた空き家対策

 

空き家特別措置法や市区町村の対策により、これまで除却や修繕等が行われた空き家は全国で約14万戸となっています。

 

少しずつ改善が進んではいますが、特定空き家に指定されていないものの、市区町村が管理不全と認識している空き家は24万戸もあるとされており、すでに特定空き家に指定されている空き家の約2万戸を大きく上回ることになります。

 

特定空き家に指定されている空き家の12倍もの空き家が、特定空き家に指定される「予備軍」として存在していることになります。

 

居住目的のない空き家は全国で349万戸あり、これに対し、特定空き家に指定した数は約2万戸に留まり、空き家全体のわずか0.6%弱ということになり、特定空き家にはほとんど指定されていません。

 

空き家特別措置法による空き家対策は、特定空き家に指定されてからスタートしますが、現状では特定空き家の指定に至るまでがレアケースであるため、なかなか放置空き家の改善は進められない状況となっています。

 

  • そもそも固定資産税とは?

    固定資産税とは、毎年市町村に納める地方税の一つ。(自治体によっては別の取扱いとなる場合があります。)

    その年の1月1日時点で、土地や家屋・償却資産と呼ばれる課税対象となる固定資産を所有する人が、固定資産の評価額に基づいて納めるもので、固定資産税の算定は課税標準額×税率により算定します。この課税標準額は固定資産である土地や家屋の評価額に基づいて算定されます。

     

    標準課税に対して1.4%の税率が一律で定められているが、減税措置を適用することによって支払う税額を抑えることができます。
    固定資産税減税措置は、住宅用地・新築住宅・バリアフリー改修・省エネ改修など様々です。
    いずれも築年数や床面積など細かい基準が設けられており、基準を満たしていれば減税措置が受けられます。

     

    住宅用地の減額特例が適用された場合の軽減率は以下の通りです。

    ・小規模住宅用地・・・住宅の敷地で住宅1戸について200㎡までの土地。(一般的な戸建て住宅は大半がこの用地に分類されると思います。)

    ・一般住宅用地・・・住宅の敷地で住宅1戸について200㎡を超え、住宅の床面積の10倍までの土地。なお10倍を超える部分の土地については、住宅用地の特例はありません。

     

    具体的な金額でみてみると…

     

     

    例1 土地面積が200㎡で評価額が1800万円の特定空き家

    • 固定資産税:1800万円×1/6×1.4%=42000円
    • 都市計画税:1800万円×1/3×0.3%=18000円
    • 合計納税額:42000円+18000円=60000円

     

    例2 土地の面積が200㎡で評価額が2400万円特定空き家

    • 固定資産税:2400万円×1/6×1.4%=56000円
    • 都市計画税:2400万円×1/3×0.3%=24000円
    • 合計納税額:56000円+240000円=80000円

    ※参考までに都市計画税も計算しています。

     

    固定資産税の計算上、「住宅」となっている場合には、空き家を解体することで、住宅用地ではなくなってしまい固定資産税の負担増加にも繋がります。
    このような課税体系が、空き家が取り壊されることなく放置されている現状に拍車をかけています。

  • 減税措置がなくなると…

     

    固定資産税は、たとえ誰も住んでいない空き家であっても、その年の1月1日時点で、土地や家屋・償却資産と呼ばれる課税対象となる固定資産を所有する人に、毎年課税されまる。

    「特定空き家」に指定されると、住宅用地とはみなされなくなってしまい、「宅地の特例控除」の対象から外されてしまいます。

    1/6という特例がなくなってしまい納税額が6倍になる!?

  • 納税額が6培に?

    例1 土地面積が200㎡で評価額が1800万円の特定空き家

    • 固定資産税:1800万円×1.4%=252000円
    • 都市計画税:1800万円×0.3%=54000円
    • 合計納税額:2502000円+54000円=306000円

    ※「特定空き家」に指定されると、納税額が合計で328000円も増えることになります。

     

    例2 土地の面積が200㎡で評価額が2400万円特定空き家

    • 固定資産税:2400万円×1.4%=336000円
    • 都市計画税:2400万円×0.3%=72000円
    • 合計納税額:336000円+72000円=408000円

    ※「特定空き家」に指定されると、納税額が合計で246000円も増えることになります。

  • 空き家改修で100万円貰えるって本当!?

    どんな制度?


    2020年5月、国土交通省が「住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業」の募集をはじめました。

    具体的には、使っていない空き家を高齢者や低所得者などの「要配慮者」に向けて、対象のリフォーム工事をおこなうなどすると、空き家の所有者に対して「1戸あたり最大100万円」が支給されます。

    空き家の活用に悩む所有者にとって、可能性を広げる魅力的な制度です。

     

     

    補助金の金額は?


    要配慮者専用改修事業の補助金は、「国が直接支援するもの」と「地方自治体と連動して支援するもの」の2種類が存在します。

    補助金を申請するオーナーはどちらか一方を選ばなくてはなりません。両者は「補助割合」や「金額の上限」が異なります。

     

    住宅確保要配慮者専用賃貸改修事業の補助金体系

    • 国と自治体との連携支援→工事費のうち2/3を支援(上限1戸あたり100万円
    • 国による直接支援→補助割合工事費のうち1/3を支援(上限1戸あたり50万円
    補助金を受けるための条件

    • 該当の空き家を「要配慮者向け賃貸住宅の登録制度」の登録物件にすること。
      (登録基準として、一定の居住面積の確保や耐震性能、家賃が高すぎないこと、10年間は要配慮者専 用住宅として管理することなどがあります。)
    • 対象リフォーム工事が定められていること
      (例えば、間取り変更工事、手すりや浴室設備の改修などのバリアフリー工事、昭和56年5月以前に着工した物件の耐震改修工事などがあります。)

  • 空き家リフォームに補助金はあるの?

    自治体によってリフォームの補助金制度の取り組みは異なるが、空き家のリフォームに対して補助金を設けている自治体はいくつかありますのせ一部ご紹介します。

     

     

    尾道市空き家再生促進事業


    空き家の有効利用を通して、地域の活性化及び良好な景観の形成の促進を図ることを目的に、空き家の再生に必要な改修に要する経費に対し補助金を交付します。

     

    対象者の詳細

    補助対象者(以下の要件にいずれにも該当する方)に空き家の改修に要する経費の3分の2(最大30万円)を助成する。

    • 20歳以上の方
    • 空き家の所有者、又は空き家を賃借した方
    • この補助金に係る改修に関して、国・県・市の制度による他の補助を受けていない方
    • 自らの負担で空き家の改修をしようとする方
    • 補助金の交付を受けた日から2年以上定住する意思のある方
    • 市税等の滞納その他市に対する債務の不履行がない方

    補助対象事業

    • 台所、浴室、便所、洗面所等の改修
    • 内装、屋根、外壁等の改修
    • 支援内容・支援規模
    • 補助金の額

     

    倉敷市住宅の改修


    家庭で自立した生活を続けるため、自宅に手すりの取付けや、段差解消などの小規模な改修を行った時には、20万円を限度に、内9割相当額を払い戻します。

    ※利用者が施設入所中のときや、利用者の住所地以外の住宅改修は対象となりません。
    ※工事着工前事前申請が必要です。

    住宅改修の工事費用が高額(20万円を超える場合)になった場合等に、倉敷市高齢者等住宅改造補助金交付制度を併用することができる場合があります。

     

    対象者の詳細

    介護保険の認定を受けた方で、在宅の方。(施設等に入所(院)されている方は対象になりません。

     

    補助対象事業

    • 手すりの取付け
    • 段差の解消
    • すべりの防止および移動の円滑化等のための床材等の変更
    • 引き戸等への扉の取替え
    • 洋式便器等への便器の取替え

  • 減税措置がなくなる前に、空き家をリフォーム

    空き家をリフォームするにはそれなりに費用がかかります。しかし放置していては問題が解決しないどころかさまざまなリスクが起こる可能性があります。

    倒壊の危険があると判断された場合など特定の状態になると固定資産税がこれまでの6倍になってしまうことも。

    建物は何も手入れしないでいると、資産価値が減少していきます。

    特に、空き家は温度調節や換気等が行われないため、寒暖差や湿気の影響を受けて傷みやすくなります。傷みが進めば資産価値も下がってしまうことが多いですですが、リフォームして快適に暮らせるようになれば、資産価値は上がります。

     

    一口に「空き家」と言っても、築年数や劣化状態はそれぞれ違うので、リフォーム費用も変わってきます。

    空き家になった期間が短く、築年数も浅い物件でしたら、既存のものを活かせる可能性があるので、優先順位をつけ予算を決めてからリフォームすることができます。

    逆に、空き家になった期間が長く、築年数も長い物件でしたら全体的なリフォームをしなければならないこともあります。

    講造部分の劣化や耐震性や断熱性などご自身で判断できないこともあると思いますが、できる限り損をしない為に早めに動き出すことが重要です。この機会に空き家のリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。

     

    イマガワリフォームは豊富なリフォーム経験を活かし、お客様それぞれの住宅の状況や申請手続きについてご相談を受けておりますので何でもお気軽にご相談ください。

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